関口提灯店は私で4代目を数えます。
 私がこの仕事を始めたのは先代提灯職人の父親が急病で倒れたのがきっかけでした。それまでは勤め人をしていたのがいきなり職人の道へ・・・
 最初はずいぶんとまどったけど、子供のころから父親の仕事を手伝ったりしていたことを体が覚えているもんなんですね。
 かくして職人の道を歩んで25年たちました。型を組んで竹ひごを巻き、紙を貼って筆を入れる・・・
 すべて手作業だから1日1〜2個しか作れない。それでもやっぱり私は手作りにこだわりたい、時代が変わってもホンモノの良さは変わらないと思うから・・・。


[紙貼りは一番緊張する作業]
 家では「佐渡の竹ひご」と「長野県の諏訪ですいてもらっている内山和紙」を使って、昔ながらの製法で提灯を作っています。
 道具はどれも明治、大正から使い込まれたものばかり。
地方によって型が少しづつ違うのも提灯のおもしろいところ。だから先代達の使った型をおいそれと変えるわけにはいかないんです。

[明治の年号の入った型板。
これで提灯の形が決まる。
地方によって少しずつ違う]

[こちらももちろん私よりネンキが入っている]
 作業はどこまでも手作業。
 父の時代には何人も職人さんがいたけど、今は私が1人で作業しています。時代の流れですね。
 でもちょうちんがなくなることは決してないし、今でも夏には祭りに、お盆に、そして奉納用にと徹夜になることもある。
 私としてはもっと若い人にも是非ちょうちんを使ってほしい
 和室に飾ってあってもしぶいと思うし、お店のインテリアとしても落ち着いた雰囲気がでていい。ビニールや針金を使った提灯では出せない雰囲気が手作り提灯にはあるんです。

[最後の筆入れ。リズムが大切なので一気に書き上げる]

曲輪(まげわ)
朴木(ほうのき)を使用。
厚み3mm〜4mmで耐久性に優れている。
竹ヒゴ
新潟県佐渡産。
弾力に富んだ丈夫さが特徴。
和紙
信州長野産。
手すき和紙



[パリッと張りあがった和紙。
芙蓉の紋が映える]

[粋な弓貼り提灯。
インテリアとしてもおしゃれだ]

関口提灯店 電話:0250−62−0250