第3章 トータルでプラスを狙うか、それとも1発狙いか?

 競馬(というより、すべてのギャンブル)には、単なる趣味とは言い切ってしまえない魅力がある。それは、結果によっては、財布が膨らむ場合があるということである。
 一般の趣味では、まずあり得ない。例えば、ゴルフや釣り、囲碁・将棋などにも、俗にいう《握り》というものがある。だが、これは言わば仲間同士で、よりその趣味を楽しむためのおまけみたいなものであり、本来の目的はそこにはない。
 だが、競馬は違う。楽しんだうえに、なおかつ結果によっては、公然と報酬が保証されているのだ。
 楽しんだうえに、お小遣い。いや、場合によっては生活費やレジャー費までも…。
この限りなく魅力的な、悪魔の囁きにも似た『二律背反性』が競馬ファンの心を駆り立てる。
 しかも、マージャンなどのように、負けた相手から直接むしり取るような後味の悪さもない。(注:構図的には同じなのだが)

 少しテーマからはずれてしまったが、いずれにしても、馬券を買う際には、自分の中でこのことをきちんと整理しておく必要があると思う。
 つまり、基本的には「楽しんでいるのだから…」と、勝っても負けてもあまり大きな勝負はしない。また「微々たる勝利には興味がない」と、年に一度の大穴を狙う。
 長年の手痛い経験から、筆者自身は、近年前者を選択しているが、後者オンリーの買い方をする友人も多い。
 
 結論から言うと、筆者はどちらでもいいと思う。ただ、最悪なのは、このパターンを交互に繰り返すことである。
 実はこれが、典型的なハマリのパターンとなる。こんな、優柔不断な人間に、勝利の女神は決して微笑まない。
 信念を持った普遍的な馬券購入方法。これが、あなたの競馬ライフを、より一層充実したものにしてくれる。