おまえらには笹針だぁ!
PART T

 今日、お昼過ぎ、親友のKとケイバに出かけた。
その日のメーンレースは『オークス』。
 それまでの3レース、二人とも全く精彩を欠いていた。
いわゆる、カスリもしないというヤツである。
 だから、オークスで何とかしなければいけなかった。
 オレたちは真剣に検討を重ねた。
そして、サイコーキララから2点の結論を導き出した。
 結果は 帰り道、二人はもちろん無言だった。

 その夜遅く、オレはアパートの万年床の上から、Kにメールを送った。
「不愉快な一日は早く終わろう。そして、来週のダービーを頑張ろう…」と。

 すぐにリメールが届いた。
 自分もムシャクシャしていて、早く寝たいと思っていたら、彼女が突然やって来たのだそうだ。
Kが、今日のケイバの話をし、不愉快な一日は早く終わりたいと言うと、彼女が
  「楽しい一日にして終わるのはどう? 今日はまだ30分もあるのよ…」
とKの耳元でささやき、そっとブラウスのボタンに手をかけた…のだそうだ。

  「ええい! おまえら二人には笹針だぁ!」