★ 泣いた日・笑った日・・・(私のメモリアルレースから)

   《ああ〜、痛恨の新潟大賞典…》

   ★★★ せめて、1000円あったら… ★★★

 後にも、先にも、あんなことはあれっきりでした。

 あれは、忘れもしない’97春の新潟開催も終盤。
その日のメインレースは、言わずと知れた『新潟大賞典』。
ところが、メインまでには何とかなるだろうなんて気楽に考えていた私は、その日絶不調!
祈りにも似た気持ちで臨んだ第10レース。これを落とすと、新潟大賞典を戦えないほど追い詰められていた。
結果は、見事玉砕してしまったのです。

過去、メジロパーマーでおいしい思いをしたこの新潟大賞典。
ああ、私の新潟大賞典はどうなるの? いったいどうするのよ!
ただただ、新聞を食い入るように見つめ、軍資金もないのに、何かに取り憑かれたかのようにメインの予想をしてしまう私。そう、何かに取り憑かれたように…。

 ハンデ戦のこのレース、1点勝負と決めつけた集中力は、確かに普通の精神状態ではなかったと思う。
 前年の覇者、8歳で最高負担重量のマイヨジョンヌ。鞍乗が坂井千明騎手ともなると、何とも新潟開催らしい。なぜか、このコンビが気にかかる。

 ヒモには一番人気も当然なほど調子の良さが窺える、最近上り調子のアロハドリーム。
 春なのにアロハかい! とも思ってみたが、その昔、ハワイアンイメージなんて馬もいたなあと全く関係ないことが脳裏をよぎる。
 このアロハドリーム。重量も手頃な5歳馬。この2頭で20倍はつきそうだし、せめて1000円あれば、なんの迷いもなく、この1点なのに…。

 ほどなく締め切り時間も過ぎて、さあスタート!
 春開催も終盤を迎えると、コース中程から内側は荒れが目立つ。
第4コーナーを回ると全馬、最内か外ラチ側か芝の良い方に分かれ、鞭が入る。
 直線の叩き合い、何が抜け出すのか一瞬見失うも、古豪マイヨジョンヌはコースロス、負担重量をもものともせず、外ラチ側を来た!来た!来ました!!
そして、そのまま力強くトップでゴールを駆け抜けちゃいました。
 人気のアロハは、マイヨジョンヌに及ばず2着ながら、なんと私の【カラ予想】は的中です。
 人気薄のマイヨジョンヌに目をつける自分に酔いしれながら、せめて1000円でもあれば……と、あまりの情けなさに、涙さえ出ませんでした。

 まあ、こんな事もあるさ…。
やっぱり、買ってこそのメインレース。予想もしがいがあるってもの。空っぽの財布じゃ意味がないのです。

 あの日のことを教訓に、1000円札を一枚小さく折りたたみ、財布の内ポケットにそっと忍ばせている私です。


第19回 新潟大賞典(G3)
1997年5月11日(日) 新潟 サラ5歳上オープン ハンデ 芝2000m
■結果 晴・良
着順   馬   名   性齢 重量  騎手 タイム 着差 馬体重  odds(人気)
 1着13マイヨジョンヌ   牡8 58.0 坂井  2:00:8       478 -2  10.3(5)
 2着 3アロハドリーム   牡5 55.0 加藤  2:01:0 1.1/4 470 +6   2.8(1)
 3着 9サウンドバリヤー  牡6 52.0 河北  2:01:1   1/2 506 -2  14.3(8)
 4着 4スプリングバーベナ 牝6 53.0 菊沢徳 2:01:2    首 468 -8  11.0(6)
 5着12ボストンエンペラー 牡5 53.0 大崎  2:01:2    頭 460 -4  52.1(13)
単勝  13番  1030円  複勝 1着 13  310円
枠連 3−8   530円     2着 3  140円
馬連 3−13  2080円     3着 9  340円