Report file No.6
   

渡辺 勇


お読みになる前に

以下に記したレポートは、事実にもとずいて脚色してあります。
従って、冗談などを解せない方などは精神衛生上、読まない方が
よろしいかと思います。物好きな方は読んで下さい。


それはうすら寒く、紅葉にはチョト少し早いんでないかい?
と思われる10月28日、ニノックススキー場に於ける魑魅魍魎、酒池肉林、摩訶不思議な出来事である。

 私は「10時30分集合」に間に合うべく、9時50分頃に出立し、約束の時間前に、約束の場所に着いたのだ。事前の情報では、参加者は
「6人」と聞いていたので既に全員来ていると思っていた。
だが!そこで私が目にしたものは・・これから起こる「デタラメ」な出来事を暗示するかのように、たった二人だけ・・・。T川氏とT沢氏だけだった。

 T沢氏は芋煮会の準備を淡々と進め、T川氏はウロチョロしていた。
コーヒーをご馳走になりあたりを見回すと、二王子岳山頂は既に紅葉が終わったらしく、第二リフト終点から下が色づいていた。あと二ヶ月もすれば雪に覆われる筈のゲレンデは、ペンペン草が生え、彫刻刀で出鱈目に削った様な水の流れた跡があるだけ。スキーシーズンにしか訪れた事のない私には、まるで、スナックのネエちゃんの朝起きたばかりの顔を見たようで何とも心苦しい。

 暫くしてK藤氏が到着したのだが、服装を見て一同「ブーイング」このうすら寒いのになんと「Tシャツ」ではないか!!まるで、「俺はまだまだまだ若いけんな、おめ〜らとは違うけんな!」と言っているようではないか!
(その後暫くして、K藤氏はジャンバーを着た。ムフフ・・・)
それからやや遅れてK井氏が到着。このK井氏、私が見る限りではいつも「五本指の靴下にサンダル」なのだ。たまには「ズック」穿きましょうね。
 
 その頃から私とT川氏だけビールを飲み始め、他の各氏は下の駐車場でやっているジムカーナを観戦したり、テニスをしたりと、清く正しい日曜の午前11時頃を過ごしていた。おっと、N藤じいちゃん氏も来ていたのだ。このN藤氏だけ、本来の目的であり、かつメインイベントである「ローラーブレード」をチョト少しやったのだ。それを見ていた私とT川氏、「ウ〜ム」と唸ってしまった。

上手いのだ。「初めてではないな」とT川氏。
「あんなに上手く滑れない」と私が言ったら、T川氏は「ウン」とすかさず答えやがった。
「ムッ」としたが、本当の事なので何も言えない・・。

 まだ一人来ない。本日の主役である筈のA部氏がまだ来ないのだ。
しびれを切らした私達、T沢氏が電話したら「今、出たところ」だとさ。罰としてA部氏にはビールとバターを買ってきて貰った。漸く全員集合。

七輪で焼いた椎茸にバターと醤油を付けて食ったり、アルミホイルで包んで焼いたいもを食ったりしながら、「けんちん汁」が出来上がるのを待っていた。
しかしこのけんちん汁を作っている鍋が、どう見ても人数分より大きい。「ジムカーナの連中に売ってみてはどうか?」と提案が出たが、誰もやろうとはせずこの提案はあえなく玉砕。

 昼過ぎから降り出した雨に気温も下がり、吐く息は白い。漸く出来たけんちん汁。薄味だが美味いのだ。K井氏が皮を剥いた里芋も柔らかく、何故か色つきの玉こんにゃくと、うどんも入っているのが泣かせる。


スキーの話など何もせず、バカな話で盛り上がる日曜の昼下がり。
何がどうしたのか(この頃私は既に酔っぱらっている)たこ焼きへとなだれ込む。
このたこ焼きが結果として、「本日のメインイベント」になってしまった。
タコは、あらかたビールのつまみとして幾らも残っていないのだが、与党得意の強行採決!

 「過去二回やったけど、もんじゃ焼きになってしまった」とT沢氏の知られざる過去が明らかになる中、果たしてたこ焼きは出来たのだ!!

感激の余り、都合四回も焼いのだ。いい年した連中が(歳の話になるとムキになるのだ)たこ焼きを楽しんでいる。う〜ん、カワイイ。

 やがて3時30分、天皇賞の発走が近い。スキークラブの申込書は忘れても、競馬新聞は忘れない私。K藤氏、A部氏、私とテレビのある部屋へとダッシュ。結果?聞かないでおくんなまし。
 
 日が暮れるのは早く、もう後かたづけの時間。結局、今日は「いも煮会」だけで終わってしまった・・・。雨の場合はA部氏の「チューンナップ講座」じゃなかったかな?まあ、たまにはいいのだ。



 後かたづけも終わり、一部穴ぼこのあいた長い下りの舗装路へ、それぞれ車を滑りこませた。      




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