豪農の館めぐり 〜 旧米沢街道、18世紀の街並み。歴史に浸り、従事に思いを馳せる。
渡辺邸
   渡 辺 邸 (国指定重要文化財)
三千坪の敷地に五百坪の大邸宅。広い土間、高い天井、重々しい梁組、いろりのある茶の間、趣のある庭園など、古いたたずまいの一つひとつに往事の暮らしぶりが偲ばれます。
渡辺家の初代は、村上藩主の家臣で群奉行として活躍。寛文五年(1665)、家督を嗣子に譲り桂村に隠居、寛文七年に現在地の下関に転居したと伝えられています。
その後、渡辺家の子孫は、廻船業や酒造業、新田開発などで富をなし、財政難に苦しんでいた米沢藩に幕末まで融資をして、米沢藩勘定奉行格の待遇を受けました。
全盛期には七五人の使用人を抱え、約一千haの山林を経営、約七百haの水田から一万俵の小作米を収納したといわれています。
 母 屋 (国指定重要文化財) 渡辺邸内部
切妻造りの豪壮重厚な母屋。この屋根は木羽葺石置屋根撞木造りという珍しいものです。度重なる火災被害の後、天明八年(1788)に現在の建物が再建されました。中に入ると母屋を南北に貫通する広い土間が開けます。
茶の間、中茶の間、台所が土間に面しており、順に一段ずつ低くなっています。また、柱や丸桁、敷板などには厳選された巨木良材が用いられています。
 土 蔵 (国指定重要文化財) 蔵
六つの土蔵(米蔵、味噌蔵、金蔵、宝蔵、新土蔵、裏土蔵)は、火災や盗難にも備えた万全の造り。
柱の間隔をせばめ、厚板・鉄桟を使用し、丈夫ななまこ壁に仕上げるなど、いろいろな配慮がされています。
 庭 園 (国指定名勝) 庭園
江戸時代中期、京都から遠州流庭師を招いて築かれた廻遊式の庭園。
剛毅な中に、繊細な印象も随所にうまく織りまぜてあります。
石材の多くは、紀州・小豆島などの関西方面のものが使用されています。
宮尾登美子原作のNHKドラマ「蔵」のロケ地にもなった渡辺邸、ほか村内各地で撮影が行われました。
述べ200人の村民がエキストラとして出演しました。
ドラマ「蔵」 ドラマ「蔵」
国指定重要文化財 渡辺家住宅(渡辺邸)
開館 9時〜16時(年末年始休館)
入館料 大人 500円(20名以上は400円)
小・中学生 200円(20名以上は150円)
お問合せ (財)渡辺家保存会п@0254-64-1002





東桂園
   東 桂 苑 
渡辺三左衛門家の分家にあたる渡辺家御新宅。
初代当主渡辺善俊氏が本家渡辺家10代当主、渡辺三左衛門善郷氏の後見人として家業の経営にあたり、
善郷氏が成人することにより、明治38年現在地に分家、建てられたお屋敷です。
昭和57年関川村の管理するところとなり、「東桂苑」と命名され、憩いの場として親しまれています。
東桂苑は、渡辺邸に隣接しています。
敷地面積は、五千四百三九、六六u、建物延べ面積は、五百八四、六u。
木造2階建て日本瓦葺寄棟造りで、明治の建築技術の粋を集めた邸宅です。
東桂園
東 桂 苑
開館 9時〜16時
入館料 大人 100円(30名以上は90円)
小・中学生 50円(30名以上は45円)
部屋使用料 日額(半日の場合は、半額)
全館:10,000円 碁天の間2室:3,000円
座敷:6,000円 6畳1室:1,000円
お問合せ (財)関川村自然環境管理公社 п@0254-64-0252





佐藤邸
   佐 藤 邸 (国指定重要文化財)(未公開)
渡辺邸とともに18世紀以降の宿場町の面影を残しています。
先祖が地域の庄屋を務め、渡辺家に次ぐ大地主であった。
その佐藤邸は萱葺き屋根の重厚な建物で、主屋の西側には風情ある庭園が広がっています。
石敷きの中庭は春日灯篭をそえた枯山水のつくり。
江戸時代中期の趣きを今に伝えます。


津野邸
   津 野 邸 (県指定重要文化財)(未公開)
渡辺邸に隣接する津野邸は現在の姿になるまで、たびたび改造の手が加えられましたが、
商家構造の建造物として極めて貴重な存在です。
佐藤邸・津野邸ともに、過去火災に遭い焼失しましたが、その後再建されています。