せわしない現代に穏やかなとき…
     

もう一度訪れたい私の空間

 私が初めて安田民俗資料館を訪れ、神田館長ご夫妻にお会いしたのは、夏の暑い日のことでした。
 安田に「民俗資料館」があるということは聞いていたのですが、どんなところかは全く知る由もなく、突然先輩に誘われた私は、興味津々、期待に胸をふくらませて訪れたことを思い出します。
 結果は、私の期待を裏切ることなく、むしろ、驚きで目を丸くするばかり。私の親世代でもあれば、展示されているものに「ああ、懐かしいなあ…」なんて想いも抱くのでしょうが、まだ20歳そこそこの私にとっては、見るもの見るもの初めてのものばかりで、まるで異世界に来たような気分を味わう空間でした。
 中には「あっ、お宝鑑定に出てきそう!」なんてものや、「うわあ!何これ?」なんてものまでさまざま。

 というわけで、たった一日、ほんの数十分の見学でしたが、すっかりファンになってしまったわけです。
 見学が終わり、館長夫人が入れてくださった熱いお茶を飲みながらお話しているうちに、なんだか心穏やかになったような気がしました。不思議なことに、お部屋から見える景色までも、いつの間にかのどかあ〜で落ち着いて見えてきました。

 普段はのんびり屋で、なかなかせわしない世の中にはついていけず、それでも遅れをとるまいと必死になっている私ですが、その時間(とき)ばかりは、なんだかほっと、のほほ〜んと、穏やかな空気に包まれたような気がしました。
 それはきっと、一万点の民具たちと、それを守り続けておられる館長ご夫妻の温かな愛情がそうさせるのだと、確かに感じました。

 何かに追われるように、あたふたと急ぎっぱなしの毎日ですが、あの空間だけは、私の歩調のごとく、ゆっくりと時間が流れています。 一秒一秒、確かなときを刻みながら…。

 なかなか時間がとれず、遊びに行くことができませんが、暇をみつけてお訪ねしたいと思います。
 また館長ご夫妻にお会いできる時を、楽しみに待っていますね。


                    2001.12.15  C.W(22歳)