No.3
小学6年の男子にスキーを指導したのですが、後傾姿勢が気になったので重心を前に出す練習をしました。しかし、腰から折れてしまい上体だけがかぶさる姿勢になってしまい、肝心の腰が前に出てくれません。先輩に相談すると、「筋力がないうちは仕方が無い」と言われましたが、なんとか改善する方法は無いでしょうか?みなさんの意見をお聞かせください。・・・(新発田市 31歳 男性)


その1
この年齢ではスキーブーツはリアエントリタイプが多いと思います。バックルが足の太さに適正に締まっているかを確認します。本人が痛がらないまで締めてあげます。(ブーツを履いた状態で直立できる子が多く見られます。)それでも緩いようでしたらサイズが大きいと思われます。

継続して講習する方でしたら、
(1)靴下をもう一枚履かせる。
(2)レンタルで借りている場合は、0.5〜1.0cm小さいサイズに交換してもらう。
などを親御さんに説明するとよいでしょう。

まずは用具の点検が1番と思います。

 しかし、筋力が無い人は本当にいます。靴を脱いで、しゃがませてみると良いでしょう。お尻が膝よりも低くした時に後ろに倒れてしまうほど、足首が前に曲がらず固い人がいました。この状態で体を支えられるようにすることを教えてあげてください。

竹川 章彦

その2
最近はゲレンデがなだらかで起伏も少なく、また、リフトも乗りやすくなっていますね。僕らが子供の時のゲレンデは起伏が多く、リフトもかなり階段歩きしてから乗れる位置にありました。(乗り場に積もった雪を下に捨てるためです)
滑走のレベル(高さ)でリフトに自然に乗れるのは圧雪車による除雪が完備したことによるのでしょう。
 さて、基本的な滑走をはじめる前の歩く事、登ることが自在に出来れば後傾も直るものだと思います。
滑れるけど、登れない・向きを変えれない、ちびっこスキーヤーが多いのが現状ですね。
 しかし、レッスンでは短時間で効果を出すために歩くや階段登行に2時間もかけれないのが実際ですし、飽きさせてしまいます。講習中に滑走バランスを経験させる工夫をするのが良いでしょう。

基本は直滑降から停止の中で滑走中ジャンプさせたり、片足の上げ下げを声かけ合図でさせたり、物を拾ったり投げたり、又、人工的な起伏を膝を柔らかく乗り越える練習なんか本人が上手く出来たか出来なかったかを実感できる内容でおもしろく行うと効果的でしょう。教師から見ただけの指摘は子供には理解しにくいでしょう。質問の子供がどのレベルかわかりませんので一般的に答えますが、初心・初級であれば思い切って爪先立ちでハの字を作らせると体は前に立てやすいですね。そこから徐々にハの字の連続リズム運動をさせ足裏全体でバランスをとることを覚えてもらうとか。片足ずつのターンに持っていくとかでしょう。

 また、自分の子供がちょうど5年生の女の子でブーツをリアエントリーから大人用バックル式に変えたら後傾が出ず、パラレルターンらしき切り替えがスムーズに出来るようになった事実もあります。先輩のおっしゃった筋力の問題もあります。顎を引かせるとかブーツ内の指を上げるとか様々ですが、何が原因で後傾なのか判断することで処方も変わると思います。恐怖心からかも知れません。・・・
基本は直滑降姿勢がどの斜度まで出来るのか?だと思います。
 
村田 憲治

その3
後傾なのはスピ−ドや斜面に対して恐怖感があるか、また、その斜面で適正な位置に立つことができないためと考えます。ニノックスの緩斜面でできるだけ低速で練習し、恐怖感をとりのぞいてポジショニングの練習をすることが必要です。後傾だと股関節膝の可動範囲が狭く、スキー操作や、スキーへ加重したり、重心移動をしたりすることが困難になります。
そこで股関節、膝関節、足首をスキーの上でできるだけ大きく動かせるように次の練習をします。
はじめに静止したままで以下の練習をし、慣れてきたら低速で同じことを試みる。
*立ったり、しゃがんだりする
*足踏みをする
*足踏みをしながら真横に移動する。
*股関節、膝関節、足首を大きく使ってジャンプする
*連続でジャンプする
*足踏み移動。足踏みターンをする。


姫路 環


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