シュテムターンを不要とする声が上っていますが・・・。現場にいる私は、パラレルターンに必要なポジショニングを体感していだくために、特に2010年シーズンは、シュテムターンを多用しています。
パラレルターンに必要なパーツ練習と思って取り組み、そこから洗練化を経過して、パラレルターンの質を向上させていきたいのです。
1)外足を押しずらすということ
【練習内容】
小さなハの字で立ち、そこから両スキーを押し開き、少し大きなハの字にしてみます。(股関節の外展運動)
そう、初心者がブレーキをかける動作と同じです。
この時に感じていただきたいのが、重心の位置。
小さなハの字で立っていた時よりも、少し大きなハの字にしてみると、重心の位置が雪面方向に下がっています。
今日初めてスキーをする初心者へ説明する内容と同じです。
「体をそのままにしてスキーを動かそうとしても、スキーは雪面に引っかかり、動きません。しゃがみながら両足を外側に動かすとスキーは動いてくれて、足元に”グググッ”と抵抗を感じることができます。この抵抗感を使ってブレーキをかけます。」
つまり、股関節の外転運動と、重心位置の下降が、うまくコーディネートされなくてはならないのです。
シュテムターンと言われる滑り方のうち、山開きシュテムターンの始動期のシーンで、ターン外側のスキーを押しずらす動作に、この動きを当てはめてみます。
少し高目のポジションで、山側の足をコンパクト(必要以上に開きすぎないよう)にハの字に開きます。
そこから、山側の(ターン外側の)スキーが押しずれるように、重心を下げながら、股関節を外転させます。
外転させればよいというものでもありません。外転は途中でやめて重みがスキーに伝わるように。
山側の(ターン外側の)足を曲げにいってはいけません。曲げにいっては腰が足の上に移動して角付けがゆるみます。
少し高目のポジションで出来た長さを変えないように、足のツッパリ感をもって、山側の(ターン外側の)スキーをずらします。
山側の(ターン外側の)足は、長いまま、ターンの最中は、雪面抵抗に対してアイソメトリック(等尺性収縮)を使います。
そして、そのまま、ターン外側のスキーがずれ続けるように、斜面の下へ落下していきます。
このアクションで、スキーに体の重みがしっかりと乗り続けることになります。
これにより、スキーのたわみを感じることができます。
スキーがたわむということは、真ん中あたりが押しずれて、トップとテールがひっかかている状態ではないでしょうか。
上手なスキーヤーに練習後の感想を聞いてみますと、「シュテムターンの始動期に重心を下げるという意識はなかった!」という方が圧倒的に多いです。
2)内足を押しずらすということ
【練習内容】
上記の1)の練習をしっかり行うと、ターン外側のスキーが押しずれるのに対し、内足は内股関節の真下で体を支えるだけの役割しかしていないのに気付いてくる。
パラレルターンにしたいので、その内足を股関節から内転させ、ターンの外側に配置させたいところである。
さて、このシーンで、重心位置をそのままに、内足を内転させると、雪面から浮いた状態になるのである。
雪面から浮かないようにするには、内足を回転外側に位置させながら、重心位置の下降をコーディネートするのだ。
このように、第1段階としてターン外スキーを押しずらすために重心位置を下降させる。第2段階としてターン内スキーを外側に押しずらすために、さらに重心位置を下降させる。
つまり、重心位置を下降させる2段活用というイメージである。
3)運動のタイミングについて
初心者であれば、図の(1)の位置でこの2つの動きをしてみます。もちろん、1つづつ順番に。
上級者であれば、図の(2)の位置でこの2つの動きをしてみます。
スキーのズレを止めて体を傾けたり、内足に乗ってターンをする感覚(良くない事例)とは、はるかに違う安定感とスキーのたわみを感じることでしょう。
4)パラレルターンでも同様に
両足の位置と体の関係が体感できたら、腰幅程度に開脚したパラレルターンで、低速度で同様に滑ってみます。
外スキーのずらしと、内スキーのずらしを、順番に行うことから始めましょう。
パラレルターンになると、もう一つ意識しなければならない感覚があります。
ターンの外足が入れ替わる(斜面に直角に位置する)直前の谷側の足を、自分の体の方向へ引き寄せ、短くするという運動です。
平地で腿上げをするような感覚です。(ここで腸腰筋が活躍します。)
長くなっていた足を縮めて、左右同じ長さになって、斜面に直角な位置へ体を運びます。
スキーを支点に体が動くというイメージでは、スキーへの重みがはずれてしまう瞬間がでてくる。
スキーへの重みがはずれてしまうと、落下することを拒否する力が働いてしまう。
ターンの切替時に、体幹部のどこかを支点にして、足元が動くことと、体幹部が動くことをイメージできると、クロスオーバーとクロスアンダーが両立してくる。
よりスムースなパラレルターンになってくる。